Doug Price EAに隠された不可解な事実

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私がEAによる運用を始めて以来、Doug Price氏のEAはVortex Trader PROChannel Trader PROなど色々購入し、ポートフォリオに組み入れてきました。

非常に優秀なフォワードテスト結果に感動し、10万円前後と高額な値段ながらも即座に購入して資金運用に使っていたわけですが、今週Channel Trader PROに再度大きなドローダウンが発生し、がっくり。

先週の記事におけるSwing Trader PROのこともあったため、前々から沸々と感じていた疑念が日に日に強くなってきました。

それは、「このEAはフォワードテストと同じ物なのだろうか?」ということ。

リアルの運用結果はその優劣は別として、明らかにフォワードテストの”販売前におけるパフォーマンス”と異なるのです。比較的新しめの同じ販売者の主な商品(インジケーターを含む)は以下のものがありますが、

  • Keltner PRO
  • Rev Trader PRO
  • Pivot Trader PRO
  • Vortex Trader PRO
  • Channel Trader PRO
  • Swing Trader PRO

“EA販売開始後”のフォワードデータがないSwing Trader PROを除き、これら全ての商品に共通して言えることは、

“販売開始前”のパフォーマンスは4桁%の収益率を稼いでいるにも関わらず、”販売開始後”はまるで別の商品かのようにパフォーマンスが落ちる傾向にあること。

今週のChannel Trader PROのドローダウンについてユーザーが文句を言うと、 彼は以下のようにコメントしています。

Idiots declare scam.. because they can’t handle risk. Anyway, market went on a rampant trend. Here’s my solution, I’m adding a trend verification to Channel trader pro, it will automatically update for everyone.

バカな奴らが詐欺だって騒ぐけど、それは彼らがリスク管理できていないからだよ。とにかく、今はマーケットが見境ない動きをしているからね。私の解決策としては、Channel Trader PROにトレンド確認機能を追加する作業をしているよ。この修正は自動的にアップデートされる予定。

むむむ・・・ユーザーをバカ呼ばわりとは、あまり感心しませんね。なぜかというと彼のEAの推奨ウェイトは、元々ロットサイズを高めにしているからなんですね。そのため、途中から始めたユーザーの中には、いきなり資金の大半を失うような人も出てきてもおかしくありません。

確かに資金の大半を失うようなリスク管理をするユーザーが悪いのは当然ですが、彼自身も異常なロットサイズでフォワードテストを行っていたり、”99%の勝率”など射幸心を煽る謳い文句で売っていますので、一概にそうとも言えないと思います。

さて、話は少し逸れてしまいましたが、ここ最近のパフォーマンスやこういった販売者の対応に少し違和感を覚えたこともあり、改めて彼の商品について調べてみました。本当に彼の言うようにユーザーのリスク管理だけに起因するものなのか確認するために。

この記事は、決して彼の商品をただ批判するものではありません。この記事を読むと、少なくとも彼の商品を買う気が失せると思いますが、彼のものに限らず今後フォワードテストの優秀さを売りにしているEAを買う前に知っておきたい予備知識としてお読みください。

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右肩下がりのEAパフォーマンス

実際この販売者のEAはどれくらいそのパフォーマンスを保てるのでしょうか。普通4桁の収益率を実現するからには、それなりの性能がないと実現できるものではありません。

収益率で見ると、ただロットサイズが大きいだけで非常に儲かるEAに見えてしまうので、上記の商品についてMyfxBookからデータが取れる期間を以下の算出式で指数化したグラフを作ってみました。

月次平均Pips = 設定来の月ごとの取得Pipsの平均 ÷ 開始3カ月間の平均月次獲得Pips × 100

※設定来の月ごとの取得Pipsの平均: 4月に100Pips、5月に150Pips、6月に20Pipsを取得した場合、 4月は100Pips、5月は、(100 + 150) /2 = 125Pips、6月は(100 + 150 + 20)/3  = 90Pipsとなります。

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Vortex Trader PROを除き、全体的に右肩下がりの傾向になっています。右肩下がりの状況が示す状況とは、「今までの月次平均獲得Pipsを下回るPipsしか取れなかった or 獲得Pipsがマイナスとなった」のどちらかしかありません。

勿論月単位で見ればパフォーマンスが落ちる時もあるでしょうが、2000~3000%の収益率を獲得するEAならば、右肩上がりとは言わなくても、せめて横這いくらいをある程度維持しなければフォワード通りのパフォーマンスが実現しませんし、フォワードテストを信じて買ったユーザーの想定する利益水準には到底届きません。

グラフの中の赤色の丸及び黄色の丸は、各々のプロダクトが発売した日とTrade Copierとしてバージョンアップした時期を示しますが、これらの点からの傾向を見ると、ほぼ例外なく横這い以下の推移となっています。

こんな感じですと、まだ実用に耐えるのはVoretx Trader PROぐらいですね。ただ、そのVortexも足元の勢いは減速傾向にあります。

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発売前後で異なるEA性能

この販売者のEAパフォーマンスは、長期で見て右肩下がりになる傾向にあることが分かりました。では、より具体的に発売前後でどれぐらいの性能差が出ているのか数字で確認してみます。

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※KeltnerPROは販売前のデータが4カ月しかないため、足元から4カ月で比較

これらは、この販売者のEAを足元から発売直後(発売した月を除く)までと、販売前のフォワードデータのうち応分の月数の期間を比較したものですが、程度の差こそあれ概ね劣化する傾向にあります。

唯一優秀なのがVortex Trader PROで、発売日以降もプロフィットファクター3.0以上を保ち続けています。それ以外のEAは発売前に獲得した収益が余りにも大きいため、発売後の本当の性能が見えにくくなっていますが、カスタム分析で発売日以降を絞ってみると案外普通のEAと同等もしくはそれ以下の性能であることが分かってきます。

この販売者のEAはそうした傾向にあるので、必ず買う前に、例えばMyfxbook右上のカスタム分析で発売日以降のデータのベースでパフォーマンスを確認しましょう。

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輝かしいパフォーマンスを誇るVortexも、

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分析期間をTrade Copierが出た4月以降ベースで確認すると、冷静に良し悪しが見極められます。(比較的綺麗な上昇線であることには変わりありませんが。)

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不自然な取引データ

さて、ここまでの内容はこの販売者のEAが長期で見るとパフォーマンスが右肩下がりの傾向にあり、それがEA発売後に顕著であるという内容でした。これらの内容から何が示唆されるのか。それはVendorアカウントの取引データ(販売前のもの)がフェイクの可能性が非常に高いということ

Swing Trader PROの不自然な取引データの件をきっかけに色々調べてみたのですが、Vendorの最近のEAのフォワードテストのデータは不自然なものが多いのです。それらについてここでは見ていきます。

●トレード時間(Open時間とClose時間がきっちり1時間単位)

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これは結構簡単に気づくポイントです。この事象はRev Trader PROに確認されたものですが、フォワードテストの取引データが全てのOpen・Close時間が分単位が丁度0分なのです。

いくらこのEAが1時間足を使うからといってこんな丁度0分にOpen・Closeの注文を入れるEAなんてあり得るでしょうか?あり得ませんよね普通。この事象は2014年10月以降に解消されます。そう、発売月です。ちなみに通常の取引データが収録されている2014年10月以降は、以下のような表示になっています。

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●ポジションの保有時間(きっちり1分単位)

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Myfxbookでは取引の分析ができるよう上の図のようにcsvファイルでデータを落とすことができます。私が作っているチャート等は販売者のアカウントデータをこのように落として加工しています。

データの一項目にはDuration(保有時間)の欄があり、何時間各々のポジションを決済まで保有していたかということが分かります。例えば一番上のレコードは、2日と8時間30分保有していたことを示しています。Open Date とClose Dateの差から、この時間表示は整合しているように見えますが、何がおかしいのでしょうか?

それは、秒単位の表記が全くないこと。Myfxbookでは保有時間は秒単位まで記録されます。例えば、私のリアルアカウントでの運用では、以下のようなデータを取得することができます。

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ご覧のように、きちんとリアルアカウントで運用している場合は秒単位まで記録されるのです。販売者のアカウントは偶然きっちり1分単位でこの時は決済したかもしれませんが、実はそうではないのです。

少し長いですが、下記はChannel Trader PROの取引開始以降のデータを同じようにダウンロードしたものです。全ての取引データが1分単位できっちり決済されています。明らかに不自然ですね。

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同様の事象は、実はVortex Trader PROの公式サイトでも確認できます。下記はサイトに載せられているstatementですが、Open TimeとClose Timeをよく見て下さい。秒の表示がStartとCloseで全く一緒です。

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確かにこの場合は、保有時間が1分単位、秒の表示は00で表示されますが、このようなOpen・Closeの秒単位が同じトレードが運用開始以降ずっと続きます。普通に運用していたら天文学的な確率で、通常はあり得ません。

ちなみにこの保有時間が1分単位で丁度決済される事象は、以下のEAやインジケーターの取引データで確認することができます。

  • Swing Trader PRO(開始から2015年8月末まで)
  • Channel Trader PRO(開始から2015年5月末まで)
  • Pivot Trader PRO(開始から2015年4月上旬まで)
  • Vortex Trader PRO(開始から2015年1月末まで)

各々のEAの取引データでは、丁度販売開始月までこの保有時間の秒表示ないデータが続き、販売開始以後に秒単位が表示されます。

この状況が何を表しているかお分かりでしょうか。

 

●矛盾する取引データ(ドローダウン表示の矛盾と破たんアカウントの継続)

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これは最近発売され、その後別の記事でも取り上げたSwing Trader PROです。このアカウントの取引データのうち、ドローダウンの表示が異常な状態になっています。左側のドローダウンの表示は、運用開始来の最大ドローダウン率ですが、右側は運用中の1時点のドローダウン率を棒グラフで表示しています。

通常、右側のドローダウン率のうち、最大幅(約150%)のものが左側に表示されるはずなのですが、21.71%とおかしな表示になっています。

また、そもそもの常識問題として、ドローダウン率は通常100%を超えるはずがありません。含み損益上だろうと実現損益だろうと、100%を超過した時点でそのアカウントは破たんしています。しかし、この販売者のアカウントは、最大▲500%の状態まで含み損益を抱えた後も継続して運用が続いており、最終的にプラスに持っていっています。まさに、FXブローカーに借金しながら運用している状態です。

 

Doug PriceのEAはフォワードテストなんてやっていない

ここからはあくまで私の推測ですが、前項の状況が全て成り立つ条件とは、Doug氏の販売前のフォワードテストは全てテスター上で作られたシミュレーションデータであり、それを何らかの方法(Synergy FXと結託)で正式な取引データとしてアップロードしていることです。彼のEA開発ペースと発売までのフォワードテストの長さから考えても、この説は濃厚だと考えます。

※ちなみにこれは、Rev Trader PRo以降の商品(フォワード期間の異常に長いもの)に対する推測です。myfxbookの改竄ができないのは、海外の別ユーザー様がmyfxbookに確認済みです。(Synergy FXのデータがおかしいという回答)

 

ことの次第は恐らくこうです。

  1. Vendorがmyfxbookにアップロードする期間(フォワードテスト期間)を決め、その期間を対象に最適化したEAを開発。
  2. 1分足のシミュレーションでEAを調整しつつ、取引データを作成。
  3. 最良結果を何らかの方法でSynergy FXの取引データとして作成。
  4. Myfxbookとアカウントを連携し、発売以降は普通に稼働させる。

Rev Trader PROが発売された時に確認された1時間丁度でトレードする取引データは、恐らく1時間足のテスターで作成された取引データです。しかし、余りにも不自然なため、ユーザーから指摘が相次ぎ、次回作以降は1分足で作成しているのでしょう。

1分足でも秒単位までは上手く作成できないようで、秒単位の表示がある”保有時間”のデータは不自然な状態が残っています。また、Swing Trader PROのような破たんアカウントが継続している理由は、あくまでもこれがシミュレーションデータだからでしょう。お粗末ですが。

この説であれば、フォワードテストが異常にリスクの高いロットで行われている理由がわかります。データ上の話でリスクなんて気にする必要ないですから。途中で変になったら、再調整で済みます。

発売日以降もVortex Trader PROのように一定程度稼働するものもあれば、Rev Trader PROやPivot Trader PROのように著しくパフォーマンスが落ちるものも出てきて当然です。なぜなら、バックテストの範囲で最適化しているわけですので。しかも今後Trade Copier 方式のEAならユーザーにバックテストされることもないため、限定された範囲内で思いっきり過剰最適化もできるでしょう。益々良く見えるパフォーマンスのEAが発売されることは必至です。

自分が信じていたEAの実績がフェイクとは残念ですが、勉強になりました。これなら普通にトラリピでも回しといた方がまだマシですね。資金の運用手法については、今後少し考えたいと思います。

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4 件のコメント

  • はじめまして、記事拝見しました。
    ホントだとしたら酷いですね。
    EA開発者・システムトレーダーのはしくれとして参考にしていたシステム及び開発者だったので驚いています。
    販売サイトの履歴を見る限り、withdrawの履歴も在り、テスターレポートだとは考えずらいですが不自然な点も多々ありますね。
    やるとしたら(出来るかどうかは別として…)、一定期間で最適化したレポート(場合によっては特定日付コードなども使用したパフォーマンス)を、メタトレーダーターミナルの取引履歴のファイルにインポートしたか? いずれにせよ、synergy fxは絡んでないと思います。
    今後の展開にとても興味があります。

    • こんにちは。
      ご意見に対するお答えとして続編を書きました。恐らく彼らは繋がっていると判断しています。その場合は、メタトレーダーで物理的にできるかどうかやWithdrawの有無など関係なく、大元からいくらでも操作できると思いますよ。

  • 業者と結託してフォワード結果を改ざんするのはあまりに悪質ですね。
    60日以内に購入した方は全員返金申請し、解約したほうがよいかと思います。

    現在進行で行われている本当のフォワードテストで、今後いい結果がでるならもう一度買い直せばいいことですので。

    返金手順についてまとめたので、載せておきます。

    【返金保証手順まとめ】

    1、こちらのURLにアクセス
    https://clickbetter.com/orderlookup.php

    2、上の3つの入力欄に以下を入力

    ・OrderIDにご自身の注文番号
    ・ProductIDに商品番号(ChannelTraderPROの場合は1731089275)
    ・EmailAddressに購入時のメールアドレス

    3、LOOK UP をクリック

    4、Request Refund の Click Here をクリック

  • 返金方法コメに書いてありましたね。助かりました。
    Keltner割引で飛びついたのですがVTP等と同じ販社という事で、MyFXBOOKよく見たら案の定SynergyFX、販売前の取引時間秒無し。
    販社のHPからRefund出そうとしたらエラー出て繋がらず。
    サポートにメールしたら理由教えろ→VTPの販社は信用できん→勘違いだファック
    ネチネチ説明しましょうかねw
    もうここの販社はどんなフォワード出しても信用しません。

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